認めてほしいんだ。

「もしもし、はい。はい、俺です。はい。えぇ。・・・わかりました。」
芳河が受話器を離してため息をついた。
「なんだって?」
「・・・今呼び出してもらっている。言っとくが、籠っておられたら・・・。」
「分かってるって!ダメモトだよ!」
「・・・・・・・・はぁ。お前に関わるとろくなことがない。」
「ちょ!ご、ごめんって芳河―!」
峰寿が慌てる。
「・・・・。」
芳河は自分の傍らで自分を見上げる音華に気がついた。
何か物言いたげな顔だが、何も言えない、そんな顔だった。
「・・・・話すか?」
「え゛!?」
「父上と。」
「え!・・・えっと!そ!いい!いい!だって忙しいんだろ!?お、俺!電話苦手!」
「・・・・・・・・・・・そうか。」
芳河はそう言うと、すぐに受話器に耳をくっつけた。
「・・・あ、父上。申し訳ありません。・・・いえ。伺いたいことと、お願いしたいことがありまして。」
「・・・・・・・・・・・。」
音華が芳河をじーっと見つめる。
「はい。えぇ。俺の部屋です。入ってもらってもかまわないので。・・・えぇ。すみません・・・。はい、確か萌黄の表紙でした。はい。お願いします。・・・・・」
芳河がちらと音華を見る。
「・・・話したくないのか?」
「は!?話たくないわけじゃないけど!」
芳河はため息をついた。
「・・・・・・・・。あ、いえ。大丈夫です。はい。ありがとうございます。・・・・・・・・・・・・・・・はい。」
芳河はすっと懐からメモ用紙、っていっても和紙でできたやつだけど、を取り出してさらさらと書き出した。
芳河がボールペン使ってるの、初めて見たかもしれない。
てか、ボールペンなら和紙使わなくてもいいだろ!
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい。はい・・えぇ。実はそこに書かれているものが・・・・。そうです。・・・いえ。はい。分かってます。ありがとうございます。助かりました。・・・・・あ、ちょっと待ってください。」
そう言うと芳河は音華に受話器を押し付けた。
「!?え?!あ!え・・?!・・・・・・あ、あの・・・!」
『音華か?』
「は、はい!」
『久しぶりだな。元気にしていたか。』
「え、お、おう!」
『芳河に話は聞いた。気をつけろよ。』
「う、うん!」
『おっと、いけない。もう行かなくては。』
「あ、う。うん!ご、ごめん!」
『はは・・・。じゃあな。音華。またこちらにも来なさい。』
「お、おう!行きます。・・・うん。じゃ。・・・また。」
カチャン。
受話器を置いた。
やっば、ドキドキした。
「・・・・・お父様と話すときの音華ちゃんの日本語変だよー。」
エリカが笑った。
すみません。
「で?なんか分かったか。」
「あぁ・・・大体は。明日にでも本を速達で届けてくれると言っていたから、詳しくは明日になるが、あらかた話は聞けた。」
芳河はメモを見返す。
「祖父は、この霊を神の稚児を食った悪霊だと考えていたらしい。」
「・・・・・・・・は?なんだそりゃ。」
峰寿は、怪訝な顔した。
「よくはわからん。神の稚児、なんてものが簡単に悪霊に食われるとも思えんが。」
「・・・神の稚児って何だ?」
音華が問う。
「神様になる前の・・・なんつーかな。子供っていうか、神様には違いないんだけど・・・。羽化する前・・というか。」
峰寿がどうにか説明しようとしてくれるが、いまいちピンとは来ない。
「神様に子供がいるのか?」
「神は生殖はしない。」
芳河は言い切った。
「なんつったらいいか。とにかく神様のサナギみたいなもの。」
峰寿がバチのあたりそうなたとえで説明してくれた。
「・・・あー。」
なんとなく分かった、気がする。なんとなく。
「で、それ、どう対処すればいいの?」
エリカが訊く。
「・・・・倒せんことはない。」
芳河がつぶやいた。
「稚児を飲みこんだため強大な力を得ていることには違いない。しかし、もともとはただの悪霊だ。力技で倒せんことはない。」
「?じゃあ、なんでお前の爺さんは・・・。」
「神隠しだからだ。」
「え?」
「吉野さん。さっき、黒い体の中から腕が出てきた、と言っていましたね。」
「え、う、うん。出てきた!」
「それは人間の腕でしたか?」
「・・・・・・・・え?う、うん。そうだよ。普通の・・・・。」
「黒沼の怪の中は、おそらく神窟が出来上がっているのだろう。」
「・・・?なんだそれ。」
音華が尋ねる。
芳河はため息をついた。
「それくらい学んでおけ。」
「な!なんだようっせーな!」
どうやって!?って、口答えするのはやめといた。
「神の稚児は稀に神隠しの原因となる。」
あ、久しぶりかも、芳河の講義。
「稚児だからさみしがり屋だ、などという意見もあるが、実際は知らん。だが、神の稚児の体の中は一つの空間が広がっている。それが神窟と呼ばれている。」
「ブラックホールみたいなものだよ。神の稚児に会って、気に入られてしまったものは神の稚児の遊び相手としてそこに取られてしまうらしいの。」
エリカが付け足す。
「子供がよく神隠しにあうのはそのためだと言われている。現在ではほとんどないがな。・・・それで、話を戻すが、祖父はそのためその悪霊を消すことをやめたんだと思う。」
「・・・・それって・・・・・・。」
音華が息をのむ。
「・・・その霊を消したら、中にいる神隠しにあった子達も・・・消えちゃうから?」
「・・・そうだ。」
うなずく。
「神窟がどうなっているか、そこに入った人間がどうなるのか、それは未知だ。だが、神隠しにあった人間がある日ぽっと帰ってくることがある。その可能性に賭けて、おそらく祖父は消さなかったんだろう。」
「・・・それで・・・どうしたんだ?」
「封じていた。」
「どうやって?」
「・・・それは・・・よく分からん。明日まで待て。」
芳河は吉野を見た。
「・・・その眼・・・奇怪なものを、映しますか?」
「え?」
芳河はじっと吉野の目を見つめた。
吉野はたじろぐ。
そりゃ、こんな整った顔のやつにじーっとしつこく見つめられたらたじろぐだろう。
落とす気か、落とす気なのか源氏!
音華、心の中でのつっこみ。
「・・・う、うん。見える。」
うなずいた。
「・・・それは、もう一生治らないかもしれません。」
「え?・・・って、治せるものなの?」
芳河は何も言わなかった。
「・・・峰寿、エリカ。今日帰ったら相談がある。」
「うん。」
「わかった!」
俺は?
音華はつぶやきそうになったのを留めた。

夜が来た。
吉野は帰った。
「ふぃー。」
風呂から上がった音華は自動販売機でフルーツ牛乳を購入してごくごくと飲みほした。
「やっぱフルーツだな。」
いちごミルクなんて甘ったるくて飲んでらんねぇ。
でも寝る前にコーヒーもやだ。
「・・・・あ。」
男風呂の戸が開いた。
「・・・芳河。」
「・・・音華。なんだこんなところで。」
「風呂に決まってんだろ。」
「そうか。」
芳河も何か飲むのかと少し観察していたが、芳河は何も買わなかった。
いちごミルクとかだったらうけんのに。
「・・・音華。」
その代わり近くの椅子に深く座った。
「ん?」
音華も、向かい合って座る。
よく考えたら風呂上がり直後にこいつと鉢合わすことってほぼなかったな。
変なの。修学旅行みたいだ。
お互いまだ髪の毛が濡れている。
「神窟はな。」
「って此処でも講義かよ!?」
見下げますよいっそ!その根性。
「なんだ・・・知らなかったんだろ。」
「知りませんでしたけど!でも今わざわざお前にご講義いただく場面ですかこれ!」
「知っておけ。今後、必要になるやも知らん。」
「・・・っ!くそ。」
しぶしぶ。
「神窟は、神の稚児によってその大きさや性質は様々だ。」
「性質?」
「あぁ。おそらく、今回の神窟は・・・・・、“一抜け”だ。」
「は?イチヌケ?」
「あぁ・・・一人しか、その中へは入れない。」
「・・・・・・・・・・・?つまり?」
「飲みこまれたとしても、次誰かが新しく飲み込まれた場合、自動的に追い出される。」
「!」
「そういう場合、故意に神窟の扉を開くことは難しい。ほとんど自動でしか開かないからだ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え・・・・・・じゃあ・・・・。」
「あぁ。中の人を助けることが、できん。」
「・・・・・・・・・・っ!」
「だからこそ、祖父は何もしなかった。もしかしたら、放っておけば中の人は助かるかもしれない。新たに犠牲を出せども。」
「・・・・絶対に・・・?」
「・・・あぁ、ほぼ。確実に。無理だ。」
「・・・・・・・・・・・っそんな・・・。」
うつむいた。
「音華。」
「え?」
「今回、お前は、来るな。」
「・・・・・・は?」
「お前は口寄せだ。危ない。」
「・・・・・・ちょ・・・ちょっと待てよ。」
「言っただろう、飲みこまれたら二度と・・・・」
「俺!」
立ちあがってしまってた。
「・・・・・・・っ俺!」
どうしよう。
どこにぶつけよう。
というか、この感情は何だ?
この、苛立ちにも似た。
「音華。」
「俺・・・だって・・・。戦える。」
「しかし・・・」
「莫迦芳河!」
あぁ、結局芳河にあたってしまった。
「音華・・・」
「俺、行くから。絶対。」
「・・・。音華。」
「糞莫迦!」
ばっと背を向けて、そこから去った。
だめだ。
芳河を見れない。
悔しくて、悔しくて、涙が出そうだった。
「・・・阿呆・・・。」
芳河は深く座ったまま、ため息をついた。
「かっ保護なんじゃね?」
ガラ。
「・・・・・・・峰寿・・・。」
男湯から出てきた。
いつも長湯だから、芳河よりも遅く出る。
でも話は聞いていらしい。
峰寿は自販機に直行してコーヒー牛乳を買った。
「お前飲む?」
「いや、いい。」
「・・・牛乳嫌いだっけ。」
悪戯っぽく笑った。
「好きではない。」
「ははっ。そういうとこ、ガキ。」
峰寿はさっき音華が座ったところに腰を下ろした。
薄暗い。
自販機の明かりだけが妙に明るい。
「・・・音華ちゃんのこと、信頼してねぇの?」
「・・・してる。」
「じゃあなんであんな可哀そうなことすんだよ。」
ごく、ごく。
気持ち良さそうに飲む。
「・・・あいつは・・・。無鉄砲だ。」
「・・・確かに。」
うん。あっぶない。
「捨て身で飛び込んでいく阿呆だ。だから・・・・」
「心配・・・か。」
芳河は何も言わなかった。
「確かにね。俺も心配。そんで、巻き起こりそうな二次災害も。しーんぱい。」
「・・・・・・・・・・・・・・なんのことだ。」
「お前のこと。」
「・・・阿呆か。」
「はは!否定はしないじゃん。」
「・・・。」
「お前、音華ちゃんのこと、本気で大事にしてるもんな。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
芳河は峰寿が煙草に火をつけるのを、じっと見て黙った。
「ん?」
「・・・お前も・・・大事にしてるだろ・・・・。」
「んー?んー。・・・俺?音華ちゃんを?」
「・・・・。」
「あったりまえじゃん。」
笑う。
「好きなのか。」
「・・・好きだよ。」
「そうか。」
峰寿はふっと白い煙を吐き出して芳河を見た。
「俺は、芳河も好きだよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・気持ち悪い。」

結局、作戦会議とやらには、参加させてもらえなかった。


「早ッ」
本がもう届いた。午前中には届いた。
芳河がすぐにそれにさっと目を通した。
「なんてー?」
エリカが窺う。
「・・・なるほどな。」
パタンと、本を閉じてエリカに渡した。
「峰寿、吉野さんに連絡して、来てもらってくれ。おそらく協力がいる。訊きたいこともある。」
「了解。」
音華はそろっとエリカに近づいた。
エリカはそんな音華に気付きおいでおいでと招いた。
「芳ちゃんは困ったチャンね。」
「え?」
「音華ちゃんだって立派な陰陽師なのに。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
うつむいた。
「芳河って・・・。」
「ん?」
「俺のこと・・・・信頼してない・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・んー。」
にこっとエリカは笑った。
「信頼してるよ。でも、それを上回って心配なの。」
「・・・・・・・。ちぇ。」
よしよし、とエリカは音華の頭を撫でた。
「ま、うまいこと説得してみるから。落ち込まないでっ。」
「・・・お、おう。」
うなずく。
「エリカ。」
「んー?」
芳河に呼ばれてエリカは顔を上げる。
「頼まれてほしいことがある。」
「何?」
「坂音の家に、訊きたいことがある。番号、調べてくれるか。」
「いいよ。待ってて。」
芳河は頷いた。
そしてエリカから本を受け取って音華を見た。
「・・・・んだよ。」
「いや・・・・・・。」
芳河はさっとどこかへ行ってしまった。
音華は舌打ちをした。
何も言わない。
そういうとこ、嫌いだ。

吉野が来て、仲間外れにされた音華は吉野と縁側に座って話をした。
「あなたも陰陽師なのよねー?」
「・・・あ。おう。一応。」
糞芳河にはまだまだ認めてもらえてないみたいだけど。
「すごいなぁー!私も頑張る!」
「・・・・・・・・・・・・頑張るって?」
「私、西宰ってとこの陰陽師になるんだっ。」
「!!!!!」
音華はびくっとした。
「ん?どしたの?」
「そ・・・!それ・・・誰かに言った?」
「え?峰寿だけ・・・だけど。」
「・・・・あ、あのさ。エリカの・・・あのピンクの神の女の子の前では、その話、今しないでくれるか・・・・っ?」
「いいけど・・・・なぜ?」
「な!なんか、気まずいから!あんまり、き、訊かないでくれ。」
「ん。分かった。」
にこっと彼女は笑った。
「あのさ・・・・・・・・・。」
「ん?」
「・・・なんで、峰寿に依頼したんだ?」
「あー・・・それは、峰寿の色が違うくって、陰陽師だってわかったからさっ!私、陰陽師になるためにあの化け物を倒さなくちゃいけなくって、だから手伝ってもらおうって・・・。」
イマイチうまく話がわからなかったが、つっこまないことにした。
「あの・・・悪霊・・・そんなに消したいのか?」
「消したいよ。」
「・・・なんで?」
もとは、もともとは・・・人なんだぞ。
なぜ呆気なく、それも陰陽師になるために利用するのか。
「持って行かれちゃったから。私。」
「え?」
「大切なものを。返してもらわないといけない。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」
彼女はにこっと笑った。
「私のおばあちゃん。」
思い出す。
イチヌケの話。
「・・・あ・・・・。」
音華はどう言えばいいか分からなくなる。
「ん?」
「あ・・・・。や・・・いや。なんでもない。」
誤魔化した。

「・・・いいけど、大変だな。これ、全員で?」
「あぁ。さもないと長期戦になる。」
「神様だもんねぇ。一応。」
「・・・半日はかかるな。」
「こんな山ではそれは困る。坂音にも迷惑がかかる。」
エリカは芳河の方を見る。
「連絡、いれた?」
「あぁ。」
「なんて?」
「協力してくれる。と。蔓が来ているらしい。滞りなく済みそうだ。」
そりゃねぇ。芳ちゃんの頼みは断れないでしょう。
エリカは笑った。
「陣は間違えないよーに!」
「分かってる。」
「大丈夫だよっ。」
3人は立ち上がった。

最強のタッグだ。
間違いなく。

「・・・芳ちゃん。」
芳河の背中を見て、呼んだ。
「・・・なんだ。」
峰寿は行ってしまったらしい。
「・・・・・・・・。」
言いたいことは、すぐに分かったらしい。
「エリカ・・・。」
「信用、できない?」
「・・・してる・・・。」
「心配?」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
芳河は黙った。
「・・・心配なんでしょ?」
「・・・あぁ・・・。」
「私と峰寿も?」
「お前たちは・・・・―――」
矛盾に気づく。
「・・・信頼してる、でしょ?」
「・・・・・・・・・・・。」
「認められたくて。」
「?」
「認められたくて、音華ちゃん、頑張ってるんだよ。」
「・・・・なにを・・・・」
「芳ちゃんに、認められる。音華ちゃんが陰陽師として、頑張ってる理由。」
「・・・・・・。」
「認めてあげてよ。」
「・・・認めてる。」
「じゃあ、それを通り越して、心配なんだ?」
「・・・あいつは、無鉄砲だ。」
「馬鹿じゃないよ。」
「阿呆だ。」
エリカは小さくため息をついた。
「芳ちゃん。」
じっと芳河を見つめた。
「・・・・・・・・・はぁ。」
ため息をつく。


認めてほしいんだ。

ゴクン。
「はぁ。」
甘いものが飲みたい気分だった。
音華は髪の毛から水を滴らせいちごミルクを飲みこんだ。
喉に無理矢理押しとおすように。飲みこんだ。
苦しかった。
瓶を手に持ったまま、音華は庭に出た。
涼しい。
夏なのに。
虫の音がやはり美しくて。
苦しかった。
「・・・・・・・莫迦芳河。」
明日、動くってエリカが言ってた。
今日は下準備があるって言ってた。
だけどその準備すら、自分はのけものだった。
悔しい。
悔しいんだ。
涙が出てきた。
悔しい・・・!
「音華・・・」
ばっと振り向いてしまった。
思わず。驚いて。
「・・・・っ!」
だけど、自分以上に芳河が驚いていた。
「・・・・お・・・」
「何の用だよ莫迦!」
叫んでしまっていた。
「・・・いや・・・。外にいては・・・湯冷めするぞ・・・・・。」
「あっそ!心配なんざいらねぇんだよ!」
ごしっと目をこすった。
「・・・・。」
「なんだよ。もう行くぞ、髪乾かす。」
バシ。
手を、掴まれていた。
「何だよ・・・!」
「心配ばかりさせるからだ阿呆。」
「あ!?」
「・・・お前。」
「・・・放せよ・・・。」
「放さん。話を聞け。」
「・・・・話って!なんだよ!いつもダンマリのくせに!」
腕は強く掴まれていた。
「約束しろ。」
「は!?」
「俺から離れないと、約束しろ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ?」
芳河が、真剣な目で、じっと見てくるから。
どう答えていいかわからなかった。
「エリカじゃなく、峰寿じゃなく、俺から離れるな。」
「・・・なにが・・・」
「約束できるか。」
芳河の眼が、マジで、少しだけ、ぞくっとした。


On***出雲編第5話 終わり

 


 
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