心霊写真のようなあなたは どこへゆくのですか

「・・・・・・・・・・へ。」
「これを霊視しろ。」
突然の呼び出し。差し出された黒い封筒。
「あの。」
「霊視の仕方、忘れたのか?」
「いやいや。これ、なんだよ?」
「写真だ。」
音華は受け取ろうとしていた手を引っ込めた。
「見たくない。」
「見ずにどうやって霊視する。」
「絶対、100%!これ!心霊写真だろ!!!」
叫んだ。
「そういう言い方もある。」
「いやだ!俺、心霊写真だけは見たくねぇ!」
「なんだ、怖いのか。」
「思い過ごしだと思えねぇから嫌だ!」
「今までの霊の中で思いすごしのものがいたか?」
「そういうんじゃない・・・・・・。む、・・・・昔。」
声がしょぼくなる。
「・・・昔、テレビ番組で、心霊写真特集くんでて・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・怖かったんだな。」
「るせぇ!」
二晩眠れませんでした。
「だってあの、ナレーター・・・!アイツが一番こえぇんだよ!」
『お分かりいただけただろうか。』どんどん大きくなっていく、その霊の映る局部。
ぶるっとした。トラウマだ。
「・・・じゃあ見ずに霊視しろ。」
「・・・・へ?」
「できんこともない。より難しくなはるがな。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「できないか?」
「・・・やります。」
くそう。


また睨めっこが始まった。封筒と。
ぶるっとする。この黒い封筒の中にあるものを想像するのが怖い。
やっぱり芳河が一緒にいる時に開いたほうが良かっただろうか。
「・・・・・・・いやいやいや。やればいいんだ。なせばなる。」
頷く。
ふーっと息を出して、息を止めた。そして目を閉じて封筒を手に取った。
沈黙。
「・・・・・・・うわーだめだ!こ・・・っこえー!」
昔見た怖い心霊写真が目に浮んでリタイア。
この恐怖を取り除かなければ、絶対に集中なんかできない。やばい、これは今までで一番難解なミッションではないだろうか。
音華は残暑の夕方、部屋に引きこもって、何度か試したが、結局この日は霊視が成功することはなかった。
翌日。
「あれ?霊視できるんじゃなかったっけ?」
エリカが不思議そうな顔をした。
「同じ要領だよ。壺も写真も。」
「・・・・・・・・はい。」
対象が違う。
「嫌な感じがするの?」
「・・・・・少し。」
なんだかどろっとした空気があるんだ。
「って、封筒開いてないの?」
「お・・・おう。」
「開いたほうが簡単だよ。開けてあげる。」
「あ!いい!いい、いい!」
「なんでー?」
「あ・・・む、難しいほうが、やりがいがあるかなぁって・・・・。」
嘘ですけど。
「・・・へー。」

夜中、眼が覚める。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
じっと黒い封筒を見る。月明かりが明るい夜なので、灯りを付けずとも見える。その形は単なる長方形の癖に、正直怖い。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
やべぇ。寝れない。
汗が出る。

「ほ・・・・。芳河。」
真夜中だ。起きてるはずないと思いつつ一応訊ねてみた。この封筒とは同じ部屋で寝れない!夢見が悪くなるに決まっている!
芳河が起きて居ないなら、朝バトル必至だが障子にはさんで逃げて帰ってやろうと思った。
「なんだ。」
「!」
起きてんのかよ。
「あ。もしどっかの姫と寝てるんじゃなかったら、いいですか・・・。」
「お前は、何処でそんな下品なことを習った。」
がらっと障子が開いた。
見下ろされる。ごくっとつばを飲む。今から頼むことはきっと芳河に呆れられることだ。っていうか、怒られそうだ。
「なんだ。どうした。」
眠っていた気配がしない。この男。午前二時半はまわっているのに。丑三つ時なのに。
「・・・・・・・・こ・・・この写真。」
「何か見えたのか。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・俺の部屋に置いて寝たくないから、夜の間だけお前・・・・持ってろ・・・て下さい。」
黒い封筒を差し出す。顔を上げれない。絶対呆れている。
「・・・・・・・・・・・・阿呆が。」
なんで阿呆呼ばわりされなきゃなんねぇんだよ!
とは叫ばない。
「・・・・そんなことのために、こんな夜更けに来たのかお前は。」
「わ・・・悪いか!気になって寝れないんだよ!」
ため息。
すっと、封筒は指から抜けた。
「早く寝ろ。」
「・・・・・・・・・・・・・・あ・・・・ありがとう。」
芳河は何も言わず封筒を懐にしまった。
「・・・本当に末摘花とか、いねぇのか?」
「早く部屋に戻れ。」

朝手元に戻ってきた。
「・・・封筒。開けないの?」
エリカがもう一度訊いた。
首を降る。
「音華ちゃんーっ。」
峰寿が後ろから声を掛けた。
「峰寿。なに今手あき?」
「ほんのちょっとだけ!」
「なに?急用?」
峰寿がにぃーっと笑った。
「音華ちゃん、昨日芳河の部屋に行ったでしょー夜中!」
「・・・・え゛―――――!?」
エリカが超うれしそうに叫んだ。
「あ・・・あぁ。」
「ちょ、これどうします峰寿さん!?」
「いやー、どうもこうも、うらやましいんですけど!」
また始まった。
「ちょ、待てよ!違うから!封筒を・・・――」
「芳河もついに・・・。」
峰寿が感慨深くいった。
「やだ!峰寿超下品!」
ばしー!
「や!待て!待て待て!俺がいった時には、・・・・えーと・・・末摘花がいたから!」
とっさに嘘ついた。あいつと並べられるのはもう嫌だ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
フリーズ。
「え。それ、ってことは。」
「・・・・修羅場?!」
ぶーっと二人は吹き出した。
「やるなぁ芳河!!濡れ場が修羅場に変貌!?うわー見たかったー!」
「って、峰寿は何で知ってたんだよ。」
俺が芳河の部屋に行ったこと。
「音華ちゃんが廊下わたるの見たんだよ。」
「音華ちゃん。いつのまにー?」
もう勘弁してくれ。行かなきゃよかった・・・いやいや、冷静に考えて、行って渡していなければ一晩中眠れなかったに違いない。

「・・・・・・・・・・なんだその辛気臭い顔は。」
「うるせぇ。」
お前のせいだ。あの二人はどうやらまだ芳河をからかってはいないらしい。
「・・・。それで、水は五行の内でも・・・―――」
講義が続く。こいつが帰ってきてから、最近は毎日、講義。陰陽術について。
正直言ってつまらないが、前もって読んでいた本の情報量が結構あったので、なんとなくわかる気がした。
「よし、音華。水の真言、全部言ってみろ。」
「・・・・・・・・・・いくつあると思ってますか。」
「・・・・・・・・・・。では、水の解。」
「・・・・ソウ・・・シャク・・・ザ・・・―――」
知るか!!!!
知っている分だけ言っても、足りるわけもなく。
「・・・・・・・わかった。次までに水は全て覚えておけ。」
次って明日ですか。明日ですよね。
「・・・で。今日は何か見えたか・・・?」
「・・・・・・・・・いいえ。」
だってやってもないもん。霊視。
「早くしないと、面倒だぞ。」
「え?」
芳河がため息をついた。
「日に日に悪くなっている。」
「・・・何が。」
「出ている霊気が。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「早く視ろ。視る事が出来なければ払うことも出来ん。」
「・・・・・・・・・・・・・・・はい。」
余計近寄りたくありません。
一人、部屋に戻って、もう一度黒い封筒と向かいあってみた。
動くわけじゃない。見えないようになっている。怖がることはない。そうだ、普通の物の化と一緒だ。そう思おう。
ゴクン。飲み込んで、手に取った。そしてゆっくりと額に近づける。
怖い。目の前に幽霊の写った禍々しい写真があると思うとなんか無性にぞくっとするんですけど。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
だめだ。
封筒を身体から離してから目を開けた。
「・・・・!」
ドキッとした。閉じてあったはずの封のノリが、外れていた。そして中の写真の一部が見えていた。
「うあ!」
思わずほおり投げてしまう。
見た感じ、その写真は、遊園地で撮られたものかなんかだった。
嫌な感じがした。ノリが外れてより嫌な感じがした。汗がつたった。どうしよう。おそるおそるもう一度指でつまみあげてみる。
その瞬間に、嫌なものは消えた。まるで音華を避けるように。
「・・・・・・・・・・。」
怖ぇ!

「ほ、芳河。」
「またお前か。」
「るせぇな!俺だって来たくねぇんだよ!」
激。
「あのさ、この写真、何処で撮られたかとか、そういうの聞いたか?」
「依頼人からか。」
頷く。
「あぁ、聞いた。なんだ。言わなかったか。」
「聞いてねぇよ。」
「その写真は、ある遊園地で撮られたものだ。」
「・・・・あぁ。」
やっぱり。
「大学生のグループで撮ったものらしい。映りこんでいたのは・・・―――」
「ストップ!サンキュー!分かりました!」
「・・・・・・なんだ。聞きに来たんだろう。」
「あんまり想像したくないからいい!」
「お前、・・・・本当になんで心霊写真ごときでここまで怖がる。禍神を見た人間だろう。」
「やかましい!怖いもんは怖い!」
「・・・・・・・・・・・・・分かった。だがあと三日以内に終わらせろ。でなければ封筒をあけて霊視させる。」
「鬼!」
今回ばかりは泣きたいです。

「・・・・・・・・大学生・・・・グループ。」
さぞかし楽しそうな写真なんだろうな。それさえ、写りこんで居なければ。
遊園地か・・・・。そんなところは行ったこともないや。
どんなところなんだろう。幽霊が居るような場所なのか?楽しいはずの場所なのに。
目を閉じた。今度は封筒を手に取らずに。床に置いたまま。向きあった。
見えた。
確かに遊園地だ。だけど、大学生じゃない。この目線は。大学生じゃない。もっと、小さい。そう言う目線だ。
誰かの手を引っ張った。・・・親だろうか。
「・・・・・。」
目を開けてしまった。なんでか集中力がびっくりするくらい突然切れた。
なんだか続きを見たいと思わなかった。
芳河に見えたことを報告しなかった。それでは不十分だとわかってる。だから夕食の後もその封筒は自分が持っていた。
勿論寝る前には芳河にまた渡しに行くけれども。
さっき見えたものが、頭の中でエンドレスリピートされている。音華は何かがひっかかっていた。
「・・・・・なんだ?」
頭の中がまた気持ち悪い。
「音華ちゃんーっ。」
エリカが障子の向こうから呼んだ。
「!おう。」
「ちょっといいー?」
「なんだ?」
音華は立ち上がって障子を開けた。
「ちょっと手伝って欲しいんだけど。」
「・・・・・・・・?何を?」
エリカに手をひかれて音華はエリカの部屋まで行った。
「ちょっと抑えてて欲しいの。」
畳の上に置かれた薄い座布団。その上に置かれた四本足の椅子。
音華は頷いて、椅子の足を抑えた。エリカはひょいとその椅子の上に立った。
そして天上からぶら下がる電球をとり、新しい電球をとりつけた。
「ありがとうっ!」
ひょいと椅子から飛び降りてエリカが言った。
「座布団の上に椅子・・・危なくないか?」
「だから音華ちゃんに頼んだのよ。ありがとう。助かった。」
「座布団・・・・いるのか?」
「いるよ。畳が傷ついちゃうでしょう?」
「・・・・・・・・あぁ。」
「芳ちゃんが居たら、椅子無しで付けれたと思うんだけど。芳ちゃん、ちょっと見当たらなくてさ。」
「・・・・・届くのか?」
「届くとおもうよ。芳ちゃん180くらいあるじゃない。」
そうだっけ?
音華は165だ。エリカが170ほどある。そういえば、あいつは結構背の高い男だった。
「あー、でも身長。いいなぁ音華ちゃんくらいがよかった。」
「へ?」
「だって、ちっちゃい方が可愛いじゃない。」
「・・・・俺、小さいほうでもないけどな。」
「私よりは小さいでしょ。」
そりゃ。日本人の中ではって話です。
「進んでる?霊視。」
「・・・・・・・・・・・・あんまし。」
もとい、皆無。
「・・・なぁエリカ。遊園地って行ったことあるか?」
「え?遊園地?ないなぁ。おもしろそうだよねっ!行ってみたい。」
「俺もない。」
でも。
「・・・・・なぁエリカ。あのジェットコースターってやつは、子どもも乗れるのか?」
「へぇ?知らないなぁ。でも危ないんじゃない?多分身長制限とかあるよ。」
「・・・だよな。」
そう聞いていた。そうか。
「でも・・・・あの列は、絶対そういう系の乗り物の列だったんだよな・・・。」
「え?」
「あ・・いや、こっちの話。」
違和感はそこだ。人の列の中、並ぶ一人の人間の手を引っ張った。
でもそれが、一体なんだ?何で俺にそんなシーンを見せた。
「音華ちゃん?」
「あ・・・わり。エリカ。俺戻るな。」
「うん、ありがとう。」
手を振ってエリカの部屋を出る。そして足早に自分の部屋へ。ほおりっぱなしの黒い封筒をもう一度手に取る。
視たくない。なんとなく、視たくない。だけど、この写真が訴える何かはその次のシーンのはずだ。
こくんと息を飲み込んでみる。心臓がなんでか高鳴る。音華は目をつむってもう一度意識を集中させた。
ぼやっとまた同じシーンが見えた。やっぱり。その列の先には、なんだか小さい子が乗れそうにない乗り物が見えた。
また集中力が途切れそうになる。音華はぐっと拳を握って耐えた。繋いだ指を解く。解かれる。
そして一人、列からはみ出す。立ちすくむようにそこから動かない。
だけど突然後ろを振り向く。黒い服に人間が見える。今度はそいつの手を、なかば無理矢理掴まされて歩きだす。
遠ざかる。遠ざかる。あの乗り物から。遠ざかる。
突然視界に何も映らなくなった。
音華はそれでも集中し続けた。汗がつたっているのが解かる。
次に写ったシーンは、落下だった。
「うわああ!!!」
音華は目を開けた。そして自分がいる場所に気付く。自分の部屋だ。紛れもなく。
だけど今この一瞬間、自分は、海に向かって落下していた。
硬く黒いコンクリートのような、とげとげしく波打つ水面が見えた。
切りたった岩が見えた。ものすごい勢いでそこへ向かっていく。
はっと、写真を額から離して見る。汗が一滴落っこちた。
音華は黙って立ち上がり、右手にその写真を持ったまま芳河の元に向かった。
芳河は丁度部屋に戻ってきた時らしかった。
「視えたのか。」
頷く。視たものを全て話す。
「それで、お前はどう思った。」
「どうって。」
「視えたものから出す推測。お前はどう推測する。」
「・・・・・小さい子・・・多分。誘拐されて殺されたんだと思う。」
呟くように語る。
「親が、多分・・・一人置いてジェットコースターとか乗りに行っちゃったんだろ・・・。その間をついて、きっと誘拐されたんだと思う。」
芳河は、黙ったまま封筒から写真を取り出した。音華はぎくっとしたが逃げなかった。
「そうだな。ここに写るのは女の子だ。」
見るか、と言われて裏向きに手渡される。音華は首を振る。
「見たほうがいい。」
「・・・・・・・・・・。」
いい?なんでそんなこと言うんだろう。と思った。
音華は恐る恐るその写真を受け取り、そして裏返した。ぞっとしただけど同時に涙が出そうになった。
大学生グループの後ろの隙間から小さい手が見えた。それからきつく結ばれた口もとが見えた。
その手は一人の女子大生の手に絡みつくように見えた。
「きっと・・・・・・、この女の子のこと、母親と間違えたんだろうな。」
「・・・そうだな。」
芳河が写真を音華から貰って封筒に入れなおした。
「だが、自縛霊と化したこの子は、望まずとも悪影響を及ぼす。」
「・・・・・例えば?」
「この女性の身の回りで怪奇現象を起こしている。きっと憑いて行ってしまったんだろう。依頼人も、少し霊感をもっているんで、連れて帰ってしまったんだろう。」
「・・・・。払うんだな。」
芳河は頷いた。
「あぁ。お前、この写真。封印できるか。」
「死呪で?」
「陰陽術で。」
封印の言並び。最近ちょっと覚えた。だけど使えるかは分からない。
音華は息を吸い込んだ。そして術を唱える。身体が何か冷たい物に撫でられたような感じがする。
「封・・・・!」
トンっと指で白い封筒に触れる。それで術は終わりだ。
「・・・出来たか?」
首をふる。出来た気がしない。
「死呪でいい。やれ。」
頷いて。死呪を唱える。今度はバシっと音がして確実に封じたと思った。
「よし。」
芳河が白い封筒を糊付けしてもう一度、現実的に封をした。
「お前、これを払ってみろ。」
「へ?」
「陰陽術だ。この写真についた霊圧、取り除け。」
「今?」
「今。」
さすが、芳河さんはスパルタでいらっしゃる。
音華はごくんとつばを飲み込んだそして立ち上がる。片手に封筒。指でさす。
「オン・・・サンカンショウイ・・・ドカンショウス・・・カカンソウイツ・・――」
ゆっくりと、だが、はっきりと声をつむぐ。声が喉を通って外の空気に触れる。
芳河が半ば睨むように音華を見つめる。
「ミシンサンジョウ・・・・ショウカンサイイツ・・・カカカ・・・・オン・・・!」
目を開く。
「ジョウカジョウショウカンソウショウカン・・・オン!」
ボォッ!
白い焔が指先で燃え上がり黒い封筒を一瞬包んだ。そして焔はするりと消え、何も感じなくなった写真の入った封筒だけが残った。
「上出来だ。」
「どうも。」
汗が出ている。暑い。頭がくらっとした。膝をついてしまいたいけど、こいつの前で無様な格好はもうしたくない。
封筒を手渡す。
「依頼人の除霊は他の者に任す。この写真はもう何も影響を及ぼさん。依頼人に返す。」
「おう・・・。」
「音華。」
「なんだよ。」
早く帰らせて欲しかった。
「無理して立つな。」
「・・・・・・・るせぇ・・・っ!」
そういった時に力が抜けた。膝をついてしまった。あぁ、また。
「横になれ。それとも部屋に連れていって欲しいか。」
「・・・・・・・・・・此処で・・・横になる。」
抱っこされるのは絶対に、もう絶対にごめんだ。
音華は、ふっと意識が遠のくのを感じた。この間、雷のなる夜、意識をうしなったのと同じ感じがした。


On*** 24 終わり



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