■塔 解説(ちょっとネタバレ)■□□

「塔」の世界がわからない!・・・という意見から。



■用語解説・補足■ 『塔』のある世界=セツの世界について

1、塔

一番重要なのに一番分かりにくい・・・。
塔はセツの世界(精神世界だと思ってください)にそびえたつもの。
つまりセツの「信念」です。
セツの信念が揺らげば塔も揺らぎます。また、セツの信念が覆されれば、塔は崩れます。
塔の成長はセツの精神的な成長です。

セツの世界には塔がいくつかあります。
一番太く、高い塔は「生き方、信念、セツそのもの」です。
そのほかにも「異性の塔」=「恋愛観」や、「学問の塔」=「学習感」があります。
それぞれの塔が形を変える=「セツの考え方が変わる」ということになります。



2、ラピス・ラズリ

これがラピス・ラズリ(原石)です。
9月の誕生石にもなってる宝石。
高価な顔料にもなっていました。

『塔』の世界では、
「未完成」の隙間を埋めるアイテムとして登場します。
セツの世界はいつも曇天です。その雲が心の欠けているシンボルとなっています。
それゆえ、青い空=セツの世界の完成 になります。
ラピス・ラズリは顔料、つまり何かを青く染める石です。
空を青く染める石⇒ラピス・ラズリ=完成をもたらす石 ということです。


3、ピアノ

塔の最上階にあるピアノ。
セツの感情が最も顕著に現れるものです。
いってしまえば、セツにとって自分を表現するものはピアノしかありません。
誰にきかすわけでもなく、一人ひたすらにピアノを弾くセツ。
この音がセツの世界にすむ民にまで届いているかはセツは知りませんが、それを願って弾いている節があります。
セツがピアノを弾くのは、自分のことを知ってほしい、わかってほしい、の現れです。


4、「悲愴」第一楽章

実際に存在する曲です。ベートーヴェン作曲。
『塔』の世界はギリギリ現実世界と隣接して書いてます。
史実とかから結構ネタを取ってきてます。
「悲愴」第一楽章はセツがいつも弾いている曲。
「悲愴」ばかり弾いているのは、セツの心が悲しんでいるからです。
ちなみに、時々弾くセツ作曲のピアノは、セツが少しだけ他人に心を開いたときに弾かれています。


5、壁

これは人間誰しもが持つ「自分の世界への侵入を拒むための壁」です。(今考えるとATフィールド的な?)
セツの世界をぐるりと囲う壁は、完全な他人に対しての壁。
セツはこの壁が高すぎて、誰もセツの世界へは入ってきてくれないよ、と「彼」にいさめられています。


6、民

セツの世界の民とは、セツが一度は心を許した人間のこと。
完全な他人ではなく、知り合い、友人、家族などのことである。

その民はセツの世界では、随分遠い所に住まわされているそうです。
つまり、セツは少し心を許しても、完全に自分の核である『塔』には近寄らせない性質の持ち主です。

人を完全に信用できない、甘えられない。そういうのがにじみ出ています。
スピカがずっと感じていた「懇意になっても、どこか突き放されている感」はここからきてます。





■用語解説・補足2■ 現実世界について

□用語解説・補足1■読後用(超ネタバレ)本編読後にお読みください。

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■塔■□□
■塔2■□□
■塔−1■□□


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■ロイサ■□□
■ルク■□□
■グルー■□□


■塔2−1,■□□


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参考文献、URL ↓

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