暑い。なんだか最近暑い。
「・・・あー、っつい。」
「美河。」
うわ。アサヒ?とっさに隠れた。食堂の入り口。
「ナベがさ。」
あれ。これ、青木の声だ。
「ナベが、もう、来なくていいからってさ。」
「・・・・・・・・・・・。」
アサヒは黙り込んだままだ。
「気持ちは分かるけどさ。・・・あれは、お前のせいなんかじゃないだろ。」
お前のせい?あれ?なんだ、この話?
「ナベのこと、そっとしといてやってくれよ。あいつもあいつで考える時間がいるんだよ。だから・・・。」
「青木は。」
アサヒの声。
「青木は、後悔ってしたことある?」
「え・・・?」
「ある?」
「あ・・あるよそりゃ。」
「でも、それは、やり直しがきく後悔でしょう。」
「・・・な、きかないもんだってあるよ!」
「例えば?」
「たと・・・。だって、ワイルドピッチで負けた試合とか、大会それで終わっちまったら、そりゃ、やり直せ
ねぇだろ!」
「だけど次にまわせる。」
どきっとした。
「その後悔。次に活かせるじゃない。」
「・・・・・・あ・・・。」
「死んだらさ。そんなことも、出来ないんだよ。だから、活かせることなら、どんな辛い事してでも活かす。」
あぁ。これは。この話は。
「ごめん、青木。ありがとう。」
「・・・あ・・・っ美河!」
やば!こっちに来る!
とっさに隠れた。アサヒは気付かずに通り過ぎてしまった。ドキドキしてる。
青木、って。アサヒのこと、前から知ってたんだ。弟のことも知ってて・・・それで・・。
その日家に帰ってすぐにテレビの前、陣取った。
「・・・これが性格悪い女房か。」
ビデオを見ながら呟いた。うん。同意だ。超性格悪いリードをする。こりゃ打者には嫌われるわ。
「・・・こいつ。このフォーク取るのに、どれくらいかかったんだろ・・・。」
きっとたくさん投げあったんだ。受けて、こぼして、そんで時々痛い思いしながら。それが一瞬でなくなって
しまった時。苦しくてたまらなかった筈だ。悲しくて仕方なかった筈だ。
「なんか、イメトレ、した?変に。」

「・・・え?」
「なんか、嘘っぽい。フォーム。」
「・・・嘘?」
「なんか、ぎこちない。イメトレ、間違えた?」
・・・あぁそうかも。
「・・・ビデオ見て・・・さ。見たんだ。」
「なんの?」
「・・・ハルシオンズの・・・。」
美河慎之介の、チームの。
案の定、アサヒは黙った。
「・・・ご、ごめん。」
「・・・なんで?」
「だって・・・やぱ・・っり、思い出したくないことだろうし・・・その・・・。」
「ショータ。」
「ごめん!」
頭を下げた。
「ショータ。」
肩に手が当たる。
「なんで謝るの。」
「・・・・ほ、んとは、ずっと前から知ってたの、隠してたし・・・。」
「隠してて問題ある?同情する事って、悪?」
「・・・あ・・・。」
「今日、送ってくれないかな?」
「え?」
「今日、夜。送ってくれる?寄りたいとこがあるんだ。」
「・・・う、うん。」
寄りたいとこ。ひとりで行きたい所。
そこは、墓地だった。
「・・・な・・・な・・・。なんでいつも一人で行くんだよ!」
怒鳴ってしまった。ありえん!こんな淋しいところに、10時前にだぞ!?何考えてんだ!       

「うわ、怒られるとは思わなかった。」
アサヒは笑った。
「これ。」
指をさす。墓。
「・・・お、弟の、だよな。」
「うん。」
頷いた。
「ねぇショータ。」
「え?」
「誓って。」
「・・・誓う?」


何を?
「絶対、フォーク、投げるって。」
「・・・此処で、こいつに誓ってやってよ。」
「・・・な、んで?」
アサヒは笑ったまま墓石を見てた。悲しい感情に染まった顔だ。
「・・・・ち。誓う!俺、・・・俺、絶対フォーク投げます!お、お前見たいなすごい落ちるやつ!それから、
シンカーも!み、てろよな!」
叫んでた。頭の中は空っぽだった。アサヒのあの顔見たら。
「・・・こ、これでいい?」
アサヒのほうを見た瞬間に、びくっとしてしまった。
「う、わ!アサヒ!?平気か?」
「何が?」
顔をぱっと上げてこっちを見る。泣いてない。あー!びっくりした!泣いてしまったかと思った。深く俯いた
りするから!
「ありがとう。ショータ。」
「・・・う。」
「ありがとうね。」
「うん。」
頷いた。この事が、何を意味するかなんて、よくわからないけど。きっと大切なことだったんだ。そう思った。

「明日、古典と数学だよ。」
ついに明日からテストが始まる。焦った。勉強じゃなく。4日続くテストが終わればすぐに合宿だ。自分に欠
けたものはまだ埋められてない。
「勉強本当に大丈夫?」
「ん。」
バシ!
落ちない。うまいこと。フォークらしくない。
「・・・フォークっていやぁフォークだけどね。」
「でもそれじゃ武器にならない!」
「そりゃそうだ。」
アサヒはガリがリくんをかじった。
「ショータ。」
「ん?」
「私、ショータのこと、実は目ぇ付けてたんだ。」
バシ!
暴投。
「は!?」
「何してんの。サードランナー居たら帰ってくるよ。」
えぇえええ?今の何?今のって・・・。告白!?
「グランドでさ。投球練習してるの見たの。たしか、5月初め。その時に、あぁこいつになら、投げてもらえ

るかもしれないって思ったんだ。」

「・・・フォーク?」
「うん。」
こ、告白ではないらしい。
「なんで?俺、ヘボピッチャーだろ。」
「うん。平凡。」
ぐさっときた。
「だから。変な癖無いから。きっと教えたら、綺麗に憶えてくれそうで。」
「・・・。」
褒めてるのか貶してるのか。
「ありがとうね。ほんとに。」
風が吹いた。
あぁ。
どきっとした。
だって、アサヒの顔。本当に嬉しそうで。綺麗で。

バシ!

「・・・・・・・・・・・・。あ・・・。」
「あ。」
沈黙。
「・・・・い、今、さ。」
「う・・うん。落ちた。」
「フォーク!」
同時に叫んでいた。それで、お互いに抱きついてた。
「わ!ご、ごめ!」
すぐに離す。嫌な顔されたらどうしよう!だけどアサヒは笑ってた。
「すごいよ。ショータ。おめでとう。」
「・・・うっ!・・・うん!でも、まぐれ・・・かもしんないし!」
「まぐれでも。これからこれをまぐれにしなきゃいいんだから。」
「う、おう!」
結局今日投げれたちゃんとしたフォークはこの1球だけだった。

「お、今日なんかご機嫌ジャン。」
「うす!」
登校中にであったモトさんがにまっと笑った。
「なんだよ、彼女といい事あったのかぁ?」
「えぇ!なに、ショータ!ついにやったのか!?」
三善が喜んで入ってくる。
なんでお前はいつもこういうタイミングで見事に現われるんだ。
「おい殺すぞ三善!そんなんじゃありませんよ!ていうか、何回もいうけどあいつは彼女じゃ・・・。」 

「彼女って、美河?」
「!」

どきっとする。青木が横についていた。多分三善と一緒に登校して来てたんだろう。
久しぶりに顔を合わせて喋った。もちろん、どもる。
「ち、違う!」
「・・・だろな。あいつ、絶対彼氏つくらねぇもん。」
「え?」
「えー?何何どういうこと?!青木、お前なんか知ってんの?」
三善がすっごく楽しそうに割って入る。
「俺、幼馴染の奴がハルシオンズで野球してて、そのつながりで美河とも知りあいだったけど。その頃からそ
うだったもん。」
「つまり?」
訊く。
「だから、彼氏をつくらねぇのっ。」
「わかんねぇよ。実はこっそりとずっと思ってる人が居るから告白断りまくってるだけかも。」
三善が指を振った。
「ちげぇよ。本人が言ってたんだもん。」
「本人が、なんて?」
アサヒが、なんて?
「男を見てると、自分が嫌いになるから、誰ともつきあいたくないって。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
沈黙につつまれる。
「・・・それって、つまりどういうこと?」
モトさんが分からないという顔で尋ねる。
「自分が女ってことにコンプレックスがあるんすよ。」
「んだそれ、まるでセイドウイツセイショーガイの人みたいじゃん、それじゃ。」
「そうなんじゃねぇの?」
青木が毒づく。
「っていうか、お前そんなこと知ってるってことは、告ったなぁ?!で、振られたんだ!」
「うっせぇなぁ!ちっげぇよ!」
げらげら笑う三善の声が、脳に入って来ない。なんだそれ?
『野球は、近くで見たくない』
それは、男に近寄りたくないってことだったのか?
「ショータ?」
モトさんが声を掛けてくれる。
「あ、はい!」
「いや、ぼーっとしてるぞ。」
「あ、・・・すいません!」
「いいけど。やべ、そろそろチャイム鳴るぞ!校門抜けろ!閉められたらやべえ!」
「わ、はい!」
走り出した。
「ショータ!」
「わ、何?」

後ろから青木が声を掛けてきた。
「お前、絶対いい結果出せよ!じゃなかったら、今後絶対ゆるさねぇから!」
「・・・う、・・・おう!」
「よし!」
にっと青木が笑った。こっちもニッと笑った。
「おはよ。」
教室に入るなり、挨拶された。
「お・・!はよ!」
アサヒは怪訝な顔をする。
「何、なんかあった?」
「いや・・・!なんでもない!古典、頑張ろうな!」
「・・・うん。まぁ、頑張るけど。」
顔、よく見れない。
男を見てると、自分が嫌いになる?なんだそれ?
俺は女見ても自分が嫌いになることはない・・・っていうかむしろ見るの好きだ。            

なんだそれ?


「いい調子だね。」
「う、うん。」
「・・・・・なに?ほんとに。」
だめだ!アサヒって実は人の心とか読む術もってんじゃねぇの!?
ごまかしきれない。そう思った。だから、呟いた。
「・・・アサヒってさ・・・。男に興味ないの?」
「・・・は?」
アサヒは吹き出してた。
「や、あの・・・別にやらしい話じゃなくて!」
「・・・なんでそんな事訊くの?」
「・・・青木が・・・なんかそんな事いってた。」
「・・・あぁ、そっか。うん。言ったね。男見てるとイライラするって。」
うわー!イライラするんだ!より酷くなってる気がする。
「そ、そっか・・・。マジデ・・・?」
「うん・・・まぁ。」
「そ、そう。」
「でも男に興味が無いのとは違うよ。」
「え?」
「たまたま今まで好きな人が居なかっただけだよ。」
「・・へ・・・へぇ・・・。」
じゃあ、どういう意味なんだろう。
「だけど、男見てると、自分が心底嫌になる。」
「・・・。」
「近くで見てると尚更。野球を見てると、もっと。」


「・・・・・アサヒ・・・・?」
「なんで私、女なんだって思う。」
『セイドウイツセイショーガイみたいなじゃん』
本当に、そうなのかもしれないと、思った。
「じゃ・・・弟の事・・・見てても・・・そう思った?」
「・・・・・・・・慎之介は・・・。」
目を伏せた。やばい!間違えた!なんてこと訊いたんだ俺!デリカシーとか、無いだろ今の!
「私の代わりに、投げてくれたから・・・。」
「え?」
「慎之介が居たから、まだ・・・救われたようなもんだから。」
「?・・・弟が、教えてくれたんだよな・・・?野球・・・。」
「・・・フォークのこと?」
顔を上げてこっちを見た。
「ふ・・・っ。あははっ!」
笑った。え?笑うとこ?
「まさかっ!あの不器用なあいつにそんな芸当できるわけない。」
あははとまだ笑ってる。え?え?じゃあ何?だってあのビデオ、あのフォーム完全にアサヒとかぶってた。あ
んなの、絶対どっちかがどっちかの・・・・。あれ?
「私が教えたんだよ。フォークもシンカーも。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・は?」
「信じない?」
「・・・や・・・。いえ・・?あれ?」
「私。小学生の頃、リトルリーグで投手してたの。・・。心底好きだったなぁ。白いボールも。炎天下の試合
も。掛け声も。駆け引きも。土で汚れたユニフォームも。」
アサヒが遠い目をした。
「・・・でも・・・中学ではすぐやめさせられたって・・・。」
「・・・うん。お母さんが許してくれなくって。」
「なんで?やりたかったらやったらいいだろ!今だって・・・!そりゃこの高校のチームじゃ・・難しいかも
しれないけど・・・やれる場所って絶対どっかにあるよ!アサヒの球、俺なんかより・・・ッ!」
アサヒは首を振った。
「見てごらん。」
手を伸ばした。両手をこっちに差し出した。
「・・・・あ・・・。」
「・・・右。伸びないんだ。ちゃんとは。」
「・・・・・・・・投げすぎたのか?」
「そんなに酷いもんじゃないよ。一歩手前。これくらいなら、だましだまし病院行きながら続けられた。」
「じゃあ、なんで。」
「腰。」
ぽつりと、彼女は呟いた。顔は、笑ってる。
「腰。一回ひどく痛めちゃったんだ。」
「・・・・腰・・は、そりゃ・・・大事だけど・・・。・・・。こっちだってだましだまし・・・・。」

「女だから。」
「・・・・あ・・・っ。」
「うちのおばあちゃんね。お母さんのほう。腰を痛めてて、お母さんを産んですぐ死んだんだって。ひどい難
産だったって。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・っ。」
言葉が出ない。選べない。選べるわけない。男の自分が何を言ったって、下手なことしか言えない。
「・・・・・・・・・・・・・アサ・・・。」
「だから、やめたの。」
泣いてしまいそうになった。目の前に居る彼女が、どれほど泣いたか、計り知れない。だってこんなに好きな
んだ。投げるのも、野球も。硬球を常にポケットに入れているほど。親に隠しながら続けるほど。見ていると、
苦しくなってしまうほど。自分を嫌ってしまうほど。女に生まれたことを、死ぬほど憎んだ筈だ。
「でも。弟が。私の球。教えてくれって。」
「・・・美河・・・慎之介・・・。」
「うん。私の球を自分が投げるんだって。私の分まで、投げるんだって。教えてくれって、真剣に頼んできた。
・・・今考えても、っかし・・・。」
アサヒは笑った。
「あの頃はストレートすらとろとろで、てんでダメピッチャーだったくせに。無謀だって言ったのに。・・・私
のために、投げてくれた。」
「・・・アサヒ・・・。」
「でも、・・・簡単に死んじゃった。」
居ても立ってもいられなくなった。瞬間、アサヒを抱きしめてた。
「・・・・なに。」
「なんでもない!」
ちっとも泣かないアサヒは、きっと涙を枯らしてしまったんだと思う。
「泣いてんの?」
「泣いてないよ!」
だから、代わりに、泣こう。だから、代わりに、投げよう。俺が。今度は、俺が。
『誓ってやって。』
誓うよ。誓う。アサヒの球。今度は、俺が投げるよ。
アサヒの想いが詰まってて、美河慎之介の想いも詰まってて。それ以上の最高の武器ってあるか?
このボールは誰にも負けない。負かしたりしない。

「じゃ、行ってくるな。」
「うん。」
「わざわざ早朝お見送りサンキュー。」
敬礼する。
「うん。こっちも、サンキュー。」
アサヒも敬礼する。
「勝ってよ。」
「うん。」
「私の球、使うんだからね。」


「うん。」
「よし。」
「行ってくる!」
「うん。じゃあね。」
走り出した。重たい荷物をもって、チャリに乗って。合宿へ。

「いくぞォ!ショート!三善!とれよ!」
監督が激を飛ばす。合宿はたったの4日だ。充実した練習が続く。朝早く起きるし、夜早く寝る。
野球三昧の毎日が4日続く。
「よし、ショータ!」
「はい!」
監督が呼ぶ。
「お前、前俺がお前に言った事憶えてるか?」
「・・・欠けている物ですか?」
「そうだ。お前、分かったか?」
「・・・・多分。」
フォーク成功率は、まだそんなに高くないけど。
「よし・・・じゃあ、明日。先発。頼むぞ。」
「はい!」
「しっかりやれよ!」
「はい!絶対!」
監督に向かって、大きな声を出している自分に気付く。
「・・・あ。」
「絶対、なんだ?」
「絶対!勝ちます!」
アサヒのフォークがあるんだ。負けない。負けるわけにいかない。アサヒのために。その弟のために。自分の
ためにも。皆のためにも!
「・・・・・・・よっく・・・わかってんじゃねぇか。」
「・・はい!」
「よし!頼もしいぞ投手!」
ばしっと背中を叩いて監督は行ってしまった。
投手・・・。そうだ。俺は投手だ。絶対コンバートなんかされない。ここを譲るわけにいかない。失うわけに
いかない。

「モト!」
「はい!」
モトさんは監督のもとへ向かった。
「あいつ。どうしたんだ此処最近で。」
「・・・ショータですか?」
「あぁ。」
「・・・さぁ・・?でも、すごく変わったと思います。」


「俺もだ。」
「いい傾向ですね。」
「あぁ。あいつはあいつに欠けてたもん、しっかり見つけてしかも埋めてきやがった。」
「へ?・・・まだ試合もしてませんよ?」
「自信だよ。」
「・・・自信?」
「あいつに決定的に足りなかったものは、自信だ。投手ってのは守備の間一番攻撃されるポジションだ。休む
ことも許されないしな。だが、投手が芯になっていないとまわりの守備達もぐらついてしまう。」
「・・・はぁ。」
「俺は投手はでんと構えてなくちゃなんねぇと思ってる。自信がねぇ奴なんてとんでもねぇ。打たれ弱い投手
なんか怖くて使えねぇからな。」
「・・・まぁ、そうですね。」
「それから、逃げ腰の奴もだめだ。自分はおさえ専門だ。とか思ってる奴は投手じゃねぇ。マウンドを貪欲に
求めるやつだけが投手だ。」
「・・・ショータは控えめのやつっすからね。性格が。」
「そうだ。でも今、結構。強い目してたぞ。一年ボウズも。」
「・・・ははっ。」
「よし。今年は行くぞ、夏!いいな、モト!」
「はい!」
モトさんは、元気のいい返事と共に戻ってきた。
「よし!ショータ!受けてやる!投げろ!」
「あ、はい!」


ピピ!
「んー。」
カキ氷を片手に携帯を掴む。珍しい。携帯がなった。アサヒは画面をのぞきこむ。
「・・・ショータ・・・。」
『勝った』その一言がメールの画面に浮んだ。
「・・・ナイスピッチ。」
ふっとアサヒは笑って携帯をゆっくりと閉じた。

さぁ、始まる。








青春を白いボールに懸ける球児達へ。

「がんばれ。」


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