24,
「アルブの民としてはギロディス侯爵に勝ってほしいよなぁ。」
他人事の台詞をきいていた。
「・・・。」
ワインの入ったグラスを握り閉めた。
最近落ち着かない。
心臓がずくんずくんと動く。
「知らねぇのか?イルルのやつらがアルブに入ってきたらしいぞ。押されてるって事じゃねぇか。」
「え、そうなのか?!こっちの領土で戦が始まったのか?それ・・・。」
「それ!」
乗り出していた。
「何処?何処に入ってきたの?!」
「スザンナ、なんだよ突然。」
「何処だ!」
「・・・、さ、さぁ?やっぱり一番イルルに近い辺りじゃねぇの?」
「・・・・・・・・・。ありがとう。」
ガタン!
立ちあがって、お金を払い、急いでパブを出た。
今から走れば、明日の昼には着く。

私は走り出した。
全てが走り出した。
背中の剣が重い。
走るたびに背中を打つ。

―――フェレス。

何度も呟いた。


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