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村に残ったほんのわずかな住民たちと、村を復興させる事に力を注ごうと決めた。
このアルブ北部は、サリーナ・マハリンのようにアングランドファウスト家の領地ではないから、伯爵家がこの村を支援することは出来ないが、フェレスが少しお金をくれると言ってくれたのを断った。
「本当に一人で此処で暮らすのか?」
「一人じゃないよ。ちゃんと何人かいる。」
「だが家族は・・・。」
「大丈夫。料理くらい少しは作れるよ。兄ちゃんにも話をしてみる。」
「そうか。」
「うん。ありがとう。フェレス。」
「何もしてない。」
「違うんだ。薬の事も。本当に来てくれて嬉しかった。」
フェレスは頷きも首を振りもしなかった。
私は微笑んだ。
「また会おう。」
「あぁ。」
「サリーナ・マハリンまではすぐだし。訪ねるよ。」
「あぁ。」
「じゃあ。またなフェレス。」
「あぁ、またな。」
手を振って、フェレスを見送った。
馬車が遠ざかる。
その馬車にはクシスもいたらしいが、クシスは結局最後まで出て来なかった。
この頃のクシスは私のことを嫌っていたように思う。
彼もまた誇り高い男だった。


それからというもの、思ったよりも忙しかった。
一人で生きる事にそこまで大変だと思わなかったけれど、ただ、お金がないのが一番大変だった。
だから結構必死で働いた。
そんなこんなで、フェレスを訪ねるといった自分の言葉は、有言実行されないまま年月が過ぎて行った。

そうして私たちは15歳になっていた。


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